構文解析
- esprima:
esprima
は、ECMAScript の構文を解析し、正確な AST を生成します。特に、ES5 から ES2022 までの構文に対応しており、標準準拠の解析が可能です。 - acorn-walk:
acorn-walk
自体は構文解析を行いませんが、acorn
パーサーと組み合わせて使用することで、構文解析と AST の生成が可能です。acorn
は軽量で高速なパーサーで、ES6 以降の構文にも対応しています。
AST トラバース
- esprima:
esprima
は、AST を生成するだけでなく、ノードの種類や位置情報を提供しますが、トラバース機能は提供していません。トラバースには別途ライブラリが必要です。 - acorn-walk:
acorn-walk
は、AST をトラバースするためのシンプルで柔軟な API を提供します。特定のノードを訪問したり、ノードを変換するためのカスタム ウォーカーを簡単に作成できます。
ノードの操作
- esprima:
esprima
は、ノードの操作や変換機能を提供していません。生成された AST は読み取り専用であり、ノードの変更や再構築は別途実装する必要があります。 - acorn-walk:
acorn-walk
は、ノードを訪問する際にカスタム ロジックを実装できるため、ノードの操作や変換が容易です。特に、ノードを再帰的に訪問しながら処理することができます。
パフォーマンス
- esprima:
esprima
は、高速な構文解析を提供しますが、特に大規模なコードベースや複雑な構文を解析する際には、パフォーマンスが影響を受けることがあります。 - acorn-walk:
acorn-walk
は、acorn
パーサーと組み合わせて使用するため、軽量で高速な解析とトラバースが可能です。特に、必要なノードのみを訪問するようにカスタマイズできるため、効率的なトラバースが実現できます。
コード例
- esprima:
esprima
を使用した構文解析の例const esprima = require('esprima'); const code = 'const x = 10;'; const ast = esprima.parseScript(code); console.log(ast);
- acorn-walk:
acorn-walk
を使用した AST トラバースの例const { Parser } = require('acorn'); const { simple } = require('acorn-walk'); const code = 'const x = 10;'; const ast = Parser.parse(code); simple(ast, { VariableDeclaration(node) { console.log('変数宣言:', node); } });